山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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2025年2月26日
巷のニュースから学んで -高石ともや、ルイ・アームストロング、水原一平・・・-
矢澤俊彦
☆ ポーク・シンガーの高石ともやが昨年8月逝去、60年代からの大学紛争や反戦運動世代にはなじみ深い人、ところが自分の歌は幼い頃から母親から受けたひどい虐待の傷を癒そうとしたものだった、と告白。後は自分さがしの生涯だったとも。評論家の鶴見俊輔に「ギター一本抱えての君の歌は不完全なのがいい」と言われ、勇気づけられたという。「受験生ブルース」には泣き笑いした人も多いと思う。米国に行って日本の「他人には負けない」という生き方が強く反省させられた、との言葉が印象的でした。
☆ ルイ・アームストロングはニューオリンズのアフリカ系住民の中で育ち、ふとしたことから少年院にも送られる。その後も受けた差別に苦しみながらも音楽活動に生きた“what a wonderfyl world”は、それらを内面的に克服したこの人の喜びの世界が歌われています。私はこれを日曜礼拝の冒頭でオルガニストの我孫子真理さんにピアノ演奏をお願いするのが定番になっているが、この歌詞があまりにいいので今度はあのしゃがれ声のメッセージを皆で味わいたいと思っています。
☆ 染色家の柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)は95歳の時のインタビューで「やはり新しい車や飛行機は形が良くかっこいい、無駄なものがすっかりそぎ落とされています。時代の風に乗ることも大切ですね」と話す。それを聞いてさすがと私は思った。変わり行くご時世の中で、頑固にそれまでの自分を主張するのではないやわらかな心の広さに感動した。そしてお話や作品でもムダなものを省きカッコ良く、との言葉。「講演」でも前置きや自己紹介がダラダラ長い人がいますね、何を言いたいのか早く」と思うことがよくあります。
☆ 大谷祥平の口座から大金を盗んだ水原一平の罪に判決が下されました。今年の1月のこと。事件発生から一年も経過していない。私はまずこの裁判の速さに感心しました。そしてその判決文は明快・・・大谷に大きな経済的のみならず、人格的損傷を与えた罪は、重大ですと。
そして26億円と禁固8年の後、国外追放だといいます。胸のすくような報道でした。事の善悪を曖昧にせず明確にするあたり、伝統的なピューリタン(清教徒)精神の発露か?カーター元大統領が幼児から「うそは絶対につくな」と厳しく躾けられたことを思いだしました(『信じること働くこと』新教出版社)。それにしても大谷選手がこのことで大きなストレスを引き受けることなく、堂々と進んで行ったのはやはり素晴らしいですね。
☆ 五木寛之さんの新しい「対話集」が出ました。これまでに各界の猛者?相手に千回近くも経験してきた、という対話の名手。事前によく準備するが、まさにそれは一期一会のこと。大成功もあれば互いに心開けず、失敗に終わることもあるという。何かいいきっかけというか、糸口がつかめればとも。しかし、あれだけ戦後の世界に通暁している人も珍しい。学ぶところも沢山あるかくしゃくとした92歳です。
☆ 最後かつて私が落ち込んでいた時、激励を受けた一文を、多少長い引用で恐縮ですが、紹介させていただきます。これを著わした人は、W.B.ウルフという心理学者で、幼児教育者の周郷 博が翻訳したものです『どうしたら幸福になれるか 下』226-227ページ(岩波新書、1961年刊)。
「・・・人生は我々に沢山のことを教へてくれる。が、我々は勉強し勉強し勉強していかなくてはならぬ。しばらくの間でも、知ることと、新たな、より大きな視界を求めることをやめることは、精神的な死に我々を近づける。我々は誰でも、じきに石になってしまうものだ。・・・都会に住む人々は成人教育のための様々な機会を見つけだすことができるであろう。そうして、あらゆる文化的な恩恵と縁のないような土地に住む人々は、彼ら自身の村落の中で成人教育の先駆者になることができる。そうして、自分たちばかりでなく彼らの隣人たちにも役立つ価値のある社会的な活動をやってみることができるだろう。
現代社会の生活の明白な神経症的傾向にも関わらず、我々は、世界の歴史にかつてなかったほど人生は生きるに値するものになってきており、その気になりさえすれば、張り合いのある冒険に満ちたものになってきている-(以下略)」(鶴岡市本町3-5-37 日本基督教団 荘内教会牧師・同保育園理事長)。
本文は荘内日報に掲載されました
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