山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
トップページ > 情報発信 > 月曜礼拝の記録 2024年度
前のページに戻る
意気消沈のエリヤにカラスの慰めが
2024年11月11日
(礼拝カード NO.29 お話 萌百先生)
★ イスラエルはモーセさんのあと、アハブという新しい王様の時代になりました。でも、国は貧乏でアハブ王も困り、お金持ちの国にしたいと思っていると、いいアイディアが浮かびました。「目に見えない神様は無力だ。そうだ、宮殿の前に、大きな大きな金の仔牛の銅像を作って、それを神様にしよう。」そう思うと、王様は国中から時計や指輪やネックレスなど光る物を集めて溶かして、巨大な金の仔牛を作り「よし、この神様に祈ろう!」すると、国中の人達は毎日やって来て、その仔牛の前で祈り、歌い、踊りながら「神様、この国をお金持ちにしてください」と叫んだのです。
★ それを困った顔をしながら見ていたのが、洞穴に住む預言者、エリヤでした。預言者とは、神様の声を静かに聞き取る人です。エリヤはある夜、神様からの声を聞きました。「あんな仔牛を拝んでいると、もうすぐこの国に飢饉がやってくる。それを王様に伝えなさい。」
翌日、エリヤはアハブ王に面会して、それを伝えました。でも「そんな事が起こるはずないだろ!この年までイスラエルに飢饉がやってきた事などない!」そう言って、エリヤを追い出してしまったのです。
★ でも、3日後に大変な事が起こり始めました。毎日カンカン照り。暑いうえに、雨の一滴も降らない日が続き、ついに飢饉がやってきたのです。川の水は枯れて、魚は死んで、田畑も乾いて作物は干からび、果物や木の実もしなび、家畜や森の動物たちも倒れるようになりました。そして、人々はもちろん、蓄えた食べ物も水も無くなり、死にそうになったのです。
★ エリヤさんはどうしたでしょう。同じように食べ物も無かったのですが・・・ある朝、目を覚ますと「カァーカァー」とカラスの声が近づいてきました。近くまで来ると、なんとそのくちばしに、パンと肉と水をくわえているではありませんか。カラスは天のお使いでした。エリヤはそれを飲み食いして元気になると、三羽のカラスと一緒に、王様のためにお祈りをしました。そのお祈りが終わった時「おーい、エリヤはいないか?」と王様の家来が探しに来たのです。エリヤはお城に呼ばれてアハブ王と対面しました。王様は、「私が悪かった。お前の言う通りだ。国中はひどい飢饉。どうか、お前の神様に祈ってくれ。」でもエリヤは言いました。「王様も祈らなければいけません。」そこでエリヤと一緒にお祈りをしました。「神様、ごめんなさい。私は、あなたの代わりに金の仔牛を拝みました。これは大間違いでした。どうか、私を許してください。」そう祈り終えると、アハブ王は家来に言いつけて、大きな仔牛を粉々に砕いてしまいました。でも、500人の人が仔牛を壊すのに、一週間もかかったそうです。
★ それが終わった時です。突然「ポタッポタッ」と待っていた雨が降り始めたのです。「バンザーイ!」と、国中の人達は大喜びで外に飛び出し、大きな口を開けて雨の水を飲んでいます。しばらくすると、川に水が流れ、魚が生き返りました。田畑の果物の木も、家畜も森の動物たちも生き返りました。そこで、王様は国民におふれを出しました。「金の仔牛を作った私が間違っていた。これからは、目に見えない本当の神様を拝むように。」それを見て、喜んでいたのは・・・エリヤさんとカラスさんでした。
|
|
前のページに戻る
|