山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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眼前の海に道が出来た
2023年10月16日
(礼拝カード NO.26 お話 英世先生)
★ 昔エジプトという大国の王様パロは大変意地悪な王様、強権を持って人々を治めていましたが、特に外国人であるイスラエルの人達を手荒くきびしく支配し、宮殿や道路などをつくるのに酷使していたのです。休ませもせず、炎天下、ムチを使って働かせ続けるものですから、倒れたり、病気になる人が続出したのです。でも医者にみてもらうことはできません。毎日死人が山のように出ました。本当にひどい話です。
★ そこにモーセという人物がいました。この人は元々イスラエル人なのですが、ふとしたことからエジプトの王妃に拾われ、この王宮で育てられたのでした。そのモーセが大きくなって同胞が毎日ここの王様にヒドイ目にあっているのを見て、本当に心を痛めていたので、事あるたびに「王様、もうそろそろイスラエルの人々を自由にしてやってくれませんか?」と、頼み続けていたのです。
★ 憎からず思っていたモーセから何度も頼まれるものですから、ある日とうとう王様は「じゃあ、勝手に出て行くがいい」と言ったのです。モーセは感謝しながらも、これは注意しないと、いつ心変わりがしないとも限らないぞ」と思いました。どうしてって、エジプトにとって彼らはとても有難い労働力だったからです。
★ 警戒しつつモーセはイスラエルの仲間達に「今夜0時にこの国を出て行く」と伝えました。その知らせは何千何万といる同胞に矢のように速く伝えられたのです。その時が来ました。ヒドイ目に遭っていた人々は喜びを押し隠しながら、なるべく音をたてないようにして、抜き足・差し足でエジプトを出ていったのです。
★ それはそれは、大変な脱出の旅でした。何しろ高齢者から赤ちゃん、病人も身重の女まで、あらゆる人がいるのですから。馬やロバに乗ることもできず、かついだりおんぶしたり担架に乗せたりですから。それでも少しでもエジプトから遠くへ行こう、と皆必死なのです。神様が守ってくれたのでしょう、3日たって野原でやっと一休みしたのです。「ああ、助かった。これならナントカ脱出できそうだ」、とみんなが一息ついていた時です。
★ 遠くの方から妙な音です。それが馬の蹄(ひづめ)の音であることは、すぐわかりました。「やっぱり・・・大変だ。王様が我々をまた捕まえるために軍隊を連れて追っかけてくるのだ。神様、助けて下さい」、そう祈りつつみんなに云いました。「あわてるな、落ち着くんだぞ。さあ、私について来なさい。きっと神様が助けてくださる!」
★ そこでみんなはモーセについて必死に逃げ始めました。しかし間もなく、・・・「うわっ、ダメだ。こんな海が目の前だ」。そうです。向こう岸も見えないくらい大きな海が眼前をふさいでいるではありませんか! 後ろからは馬に乗った大軍、目のすぐ前には大海です。絶体絶命とはこの時のことでしょう。「もうダメだ」と思ったイスラエルの人達は「モーセ、お前のせいで、俺たちは皆殺しだ」と食ってかかりました。
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