山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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金持ちの門前に乞食が
2023年10月10日
(礼拝カード NO.25 お話 萌先生)
★ ある所に、ラザロというとても貧しい男の人がいました。ラザロは、着るものも食べるものも、住む家すらなかったので、今日も食べるものを一生懸命探していました。そんなラザロの前に大きな家が現れました。そこからは、楽しそうな音楽やにぎやかな声、おいしそうな食べ物の匂いがしてきます。ラザロは「ここならおいしい食べ物を分けてくれるかもしれない」と思い、家の扉をたたきました。
★ 扉を叩くとお金持ちの主人が出てきました。ラザロは主人に食べ物を分けてくれるようにお願いしましたが、「なんて汚い恰好なんだ!遠くへ行け!しっしっ!」と言って、ラザロに食べ物を分けてくれませんでした。少しすると、部屋の奥から、怖い顔をした家来たちが棒を持ってきて、ラザロのことを叩き、追い出してしまいます。ぼろぼろで傷だらけになったラザロは、慌てて家から逃げ出しました。
逃げ出してきたラザロはお腹がすきすぎて倒れてしまいます。するとそこに、お腹を空かした子犬がやってきました。ラザロと同じでとても痩せていて、傷だらけの子犬でした。子犬はラザロに近づいてくると、ラザロの体にできた傷をぺろぺろと優しくなめてくれています。友達がいなかったラザロはとてもうれしい気持ちになりました。そして、ラザロと子犬は友達になりました。しかし少しすると、ラザロは少しずつ元気がなくなってきてしまいます。その時、神様に一生懸命お祈りしたんです。「天の神様、どうか、私を神様のそばに引き上げてください。」ラザロは目を閉じて何度もお祈りをしました。すると空から天使がやってきてラザロを天国に連れて行ってくれたのです。天国には、食べるものも着るものも住む家や友達だっています。ラザロは天国で沢山の友達に囲まれて楽しく暮らしたのでした。
★ 一方そのころ、お金持ちの主人はどうなったのでしょうか?主人は、毎日食べて遊んでばかりいたので、すぐに病気になって死んでしまったのです。
主人が目を覚ますと、暗い場所にいました。そこには食べ物も飲み物もなく、着るものや住む家だってありません。友達も一人もいないとても寂しい所でした。主人は食べるものを探して一生懸命歩き続けましたが食べるものは見つかりません。困り果てて空を見上げると、びっくりです!あのラザロが楽しそうに暮らしている姿が見えたのです。主人は悔しそうに「神様、私も天に引き上げてください!ラザロが天国に行けて私だけいけないなんてことはあり得ません!!私こそが天国に行くのにふさわしいのです!!」と叫びました。
しかし、神様はとても怖い声で「もう遅い!お前は天国に入ることはできない。お前は生きている時に、遊び暮らし、困っているラザロを見捨てていたではないか。」そう言うと、神様の姿は見えなくなり、暗くて寂しい所に一人で取り残されてしまったのでした。
★ さあ、みんなの周りにも困った人、泣いている人はいないかな?そんな人と合った時、優しい子犬や神様のように、困っている人に優しくできるようになりたいですね。
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