山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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牛になったワガママな王様
2023年8月7日
(礼拝カード NO.17 お話 矢澤理事長先生)
★ ある所に、とってもいばりん坊の王様がいました。いばりん坊な人というのは、悪い事をよくするのです。ちょっとの悪い事だけでなく、とっても悪い事もしているのです。「アイツを殺せ!」「アイツを牢屋に入れろ!」「アイツにご飯をやるな!」「戦争に送り出してしまえ!!」もう言いたい放題です。
★ 「おい!今日は暑いな!10人集めろ!!」10人もの人を集めて何をさせるかと思うと、大きな団扇(うちわ)を持たせて、自分を扇ぐように言いつけたりもするのです。王室の料理人が一生懸命作った料理も「こんなものは食べられない!」とテーブルの上のご馳走をひっくり返し、「別の物を持ってこい!」そして、「今の料理人はクビだ!別の者を雇え!」と自分の思うがまま。料理人だけではありません。気に食わないことがあるとお城の兵も「この国から出て行け!!」と追い出してしまうのでした。
★ そんな、ワガママでいばりん坊で悪い王様が寝ていると、ゴロゴロ・・・ゴロゴロ!ドカーン!!!とカミナリが王様の寝ているすぐ目の前に落ちたのです。あまりの音と光で王様の目は見えなくなってしまったのです。何にも見えません。しばらくして、夜が明け、そっと目を開けると、宮殿にいたハズなのに、野原にいたのです。その野原では太陽がサンサンと照り付け、とっても暑いのです。のどの渇きに川の近くに行き、水を飲もうとした時、水面に映った自分の顔を見たのです。そこに映っていたのは、人ではなく、牛なのです。慌てて、手足を見ると毛むくじゃら・・・。「ワシは人間ではなく、牛になってしまった!!!」
★ 自分の近くに別の牛が近寄って来て、「おい、そこは俺たちの水場だ!お前はあっちへ行け!!」「見た事のないヤツだ、あっちへ行け!!」お腹が空いてきました。草を食べようと、草のある所を探し、向かいます。でも、草のある所へ行くと、そこでも「あっち行け!!」追い出されてしまいます。
★ 夜になりました。暗くなるだけでなく、雨が降ってきました。「冷たい、寒い。どうしたらいいんだろう?」見ると、大きな木があります。木の根元で寝れば、濡れることなく過ごせそうです。ようやく木の近くに来ると、別の牛たちが寝ています。入れてもらうことは出来ません。雨に濡れながら眠り、過ごすしかありませんでした。
★ 今は威張ってなんかいれません。「これは、自分がいけなかった。王様の時に威張って、悪いことばかりしてきてしまった」「神様!私は悪い王様でした。悪い事ばかりしていました。どうか私を許して下さい。」一生懸命お祈りしました。
★ それから、牛の王様は元気を出し、誰もいない所で、水を飲み、草を食べ、夕方になると一人で木の下で眠る日々を過ごすようになりました。その生活でかかさないのは神様へのお祈りでした。そのお祈りは3年半も続きました。
★ ある晩、木の下で寝ている牛の王様の肩を誰かが叩くのです。目を開けてみると空からはしごが伸びているのです。そこから白い姿で優しそうな天使がやってきたのです。一人だけではありません。多くの天使がそのはしごから降りてくるのです。その中の天使が牛の王様に向かって「よく頑張った。明日、お前は宮殿に戻っているぞ。神様が許して下さったのだ。」こう言って、天使はニコッと笑って、はしごを登って帰ってゆきました。
★ 気が付くと、天使の言う通り、宮殿に戻っていたのです。「天使の言ったとおりだ!」家来が戻って来て、「心配していましたよ。どこへ行っていたのですか?」王様は「これまで、悪い事をした。これからはみんなに親切にするぞ!いい王様になるように頑張るからな」と家来たちに伝えたのです。家来たちは、大喜び。みな声を合わせて大合唱です。
★ 神様は私達のことを見ていて下さいます。悪い事、間違ったことをした時には、注意し、目を覚まさせても下さいます。どうかこれからも神様の言葉をよく聞き、仲良く過ごしていきたいですね。
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