山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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ナイチンゲールを知ってますか。 看護婦で素晴らしいお弟子さんです。
2023年2月13日
(礼拝カード NO.42 お話 矢澤園長先生)
★ 今日のお話は、有名なナイチンゲールのことでした。敵味方を区別なく看護をした人として、良く知られています。この人はイギリスのお金持ちの娘として、大切に育てられました。
★ ある時、ナイチンゲールはお父さんと一緒に森にいったところ、弱々しい小鳥の声に気付きました。随分怪我をして飛べないのです。家に連れ帰って、世話を始めました。毎日、傷の手当てをしました。「いつまで、続くかなぁ」と、家族は見ていましたが根気よく、心優しいナイチンゲールは、ついにその小鳥が飛べるようになるまで面倒を見てあげたのです。これには、みんな感心しました。
★ 恵まれた家で、何の不自由もない少女時代でしたが、みんなと遊んだり、おいしいものを食べて騒いだりしても、あまり楽しくありません。それより、日曜日に教会に行って、お話を聞くと心が熱くなるのでした。「私は、何をしたら良いのだろう」とすいぶん長く悩んでいた時の事です。ある日、不思議な光が天からさしてきて、神様の声が聞こえてきたのです。「ナイチンゲール、お前のやりたいことをやりなさい。」そこで考えてみると、「私はみんなの役に立つ仕事をしたい。そうだ!看護婦さんになろう!」飛んで行った、あの小鳥の嬉しそうな様子を思い起こしながら、そう思いました。でも、そのことをお家の人に言うと、みんな大反対なのです。なぜって、当時の看護婦の仕事は今でいう、3Kのように、給料も安いうえに、きつく、きたないものでした。汚いというのは、病院は暗く、汚れていて、お薬も少なく、お医者さんも足りないということです。でも、そういう中で、ナイチンゲールは、ますます張り切って全力で働いたのです。なんだか嬉しく、神様も喜んでくれているように思いました。ところがそのうち、大変な出来事がおこりました。
★ イギリスがフランスという国と戦争を始めてしまったのです。クリミア戦争として有名です。沢山の兵隊が出かけていきました。が、毎日の新聞を見るとひどいものです。戦いは厳しく、死ぬ人や大けがをする人がいっぱいなのです。戦場では、病院もなく、怪我をした兵隊さんが放置されているというのです。それを見た瞬間、彼女の心は沸き立ちました。「そうだ!私はクリミアに行かねばならない!」そう決意すると、一緒に行く人を募りました。「女の人が戦場に行くなんて、危なくて、とんでもないことだ!」とみんな反対しましたが、それでも三十数名が一緒に行くと言ってきたのです。
★ さて、戦場近くの病院は、悲惨なものでした。ベッドもなく、薬や医療用具もなく、水や食べ物も不足し、医者もただ駆けずり回っているだけ。あちこちで呻きや悲鳴が聞こえてきます。ナイチンゲールは深呼吸をして、神様に祈ると仲間たちを指示して、必死に働き始めました。大掃除をしたり、医薬品を本国に注文したり、お医者さんを呼んだり、やることはいくらでもありましたが、こんなに充実した毎日を過ごしたことはなかったのです。
★ そんなある夜、妙な音が聞こえるので、行ってみると、大怪我をした兵隊さんが、地面をやっとの思いで、這いながら入口にいるのです。「助けて下さい。」その一言を聞いて、ナイチンゲールはその人が敵のフランス兵であることに気が付きました。でも、放っておけば、その夜のうちに死んでしまうかもしれません。彼女は仲間と一緒に、手当を始めました。すると、起き出してきた人たちは「それは、敵兵だ!面倒見る必要はない!早く追い出してしまえ!!ここだけで、けが人は十分いるのだから。」でも、ナイチンゲールは大きな声で言いました。「みなさん!この人も人間です。愛する家族も居るのです。今、手当をすれば助かるかもしれないのです。神様はこの人も愛しておられるに違いありません。」その清らかな声は病院全体に響きました。そして、もはや彼女の仕事に反対する人は誰もいなくなったのです。こうして、ナイチンゲールの医療活動は両方の国に紹介され、敵味方の区別なく、助けた看護婦さんとして、今日まで伝えられているのです。
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