山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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高価な香油を注いで感謝した女
2022年7月4日
(礼拝カード NO.12 お話 矢澤園長先生)
★ ナレドさんという、美しい女性には悩みがありました。それは、なぜか出はじめた血が止まらないという病気持ちで、町の人たちからは汚れた女、血のにおいのする人として、遠ざけられ、警戒され、疎外されていることでした。きっと、先祖や両親の罪の為だろうと噂されています。多分、家じゅうは包帯でいっぱいだったことでしょう。なんと12年間も血漏を患っていたのですから。
★ そんなある日、どんな病気でも治してもらえるという、不思議なお医者さんがやってくるというのです。たくさんの病人たちが、集まってきます。その日になるともう、黒山の人だかりです。ナレドさんも何とかして、その人に近づきたいと思いました。いつもと違う服で身を隠すと、体を丸めて、群衆をかき分け、かき分け、なんとかその人の近くに来ました。その方の衣の裾にちょっとでも触れたいと思ったからです。もう、必死でした。そして思い切って飛び出すと、着物を後ろから握ったのです。その瞬間です。体が軽くなりました。なんだか、スッキリして別の人になったようです。「あっ!止まった」と思ったその時、上の方から声が聞こえてきました。「私の体から、力が抜けていった。誰がさわったのかなぁ。」と辺りを見回しています。ブラッドさんは、もう隠れることが出来ないので、「す、す、すいません。私です。」と告白したのです。やさしそうな表情で、こんな声です。「ナレド、お前の信仰が神様に通じたのだ。安心して、元気で生きていきなさい。」あまりに嬉しくて、ナレドさんはその人に何度も頭を下げながら帰っていきました。
★ それからです。ナレドさんは、猛然と働き始めました。それまでは、仕事に就けてもらえなかったのです。でも、今度は違います。誰にも負けないくらい、しかも、体も心もとても元気なのです。そして、何を思ったか、働いたお金と子どもの頃から貯めたお金を高価な香油に替えたのです。周りの人は何に使うのかと不思議に思いましたが、壺には香油がいっぱいです。
★ また、あの不思議なお医者さんがやってくるという。「そうだ!いよいよだわ。」ナレドさんは香油いっぱいの壺を頭の上に担ぐと、その人がお話をしているお家にいきました。お話が済んだ時、ナレドさんは香油を持ってその人の前に行き、その壺をひっくり返すと、その人の両手両足を髪の毛で、ゴシゴシ洗い始めたのです。高い香油の匂いは、その家いっぱいに広がりました。並居る人たちは「こんな素晴らしい香りは初めてだ。」と感動しながら、この女は誰だと不思議がっています。すると、お弟子さんらしき人がいいました。「なんてもったいないことをするのだ。これだけのものがあれば、貧しい人をどれだけ助けてあげられるか分からない。」でも、その人は「いや、違うのだ。ナレドさんは嬉しさのあまり、一生懸命働いて、私に恩返しをしてくれたのだ。ナレドさんの心は、これから世界中に伝えられるでしょう。」と言われたのです。顔を赤らめながら、ナレドさんはどんなに喜んだことでしょう。さあ、みなさんお分かりでしょう。この不思議なお医者さんこそ、そうです。イエス様です。イエス様は、一生懸命求める人に、必要なものを与えて下さる。私達は自分たちの最高の宝物を持って、恩返しをするのです。
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