山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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たくましい手が伸びてきた
2022年3月14日
(礼拝カード NO.46 お話 矢澤園長先生)
今日は、海(湖)に関係する2つのお話をします。
★ 一つ目は、ある日、イエス様はお弟子さんを連れて港へやってきました。「さあ、海を渡ろう」、そうイエス様が言われ、舟に皆が乗り込みます。さあ出発。とてもいい天気でさわやかです。「海は広いな、大きいな……」と誰かが歌い始めました。静かな風は心地良く、昼寝を始めた人もいます。“順風満帆”とはこのことです。人生このようであればよいのですが・・・
★ しばらくすると、お日様に雲がかかりました。向こうの空に真っ黒な雲がモクモク。風が急に強くなり、冷たいものが頭に当たりました。「もしかしたら嵐になりますぜ」、とお弟子さん達。そうこうするうちに、空一面が真っ暗。昼間だったのに夜のようになったかと思うと、今度は大粒の雨がどんどん降り始めました。おまけに横殴りの強い風にあおられて、舟は木の葉のようにゆれ始めました。弟子達はみな力を合わせて、舟を漕いだり水を掻き出したり。大変な暴風雨がやってきたのです。「こんな荒れ方は見たことがないぞ」。お弟子さん達は必死です。水をかぶった舟は時折沈みそう。さらに、大きな波が頭の上からかぶさってきます。「こわーい、もうだめだっ」。「死にそうです、助けてください」。大きな叫び声をあげましたが、誰も助けに来てくれるはずはありません。
★ その時です。嵐の中から不思議な音が聞こえてきました。「ぐうぐう、すうすう、ぐー・・・・・・」。何とそれは高いいびきの音でした。「あっ、イエス様だ。イエス様がおられたのだ。でも、なんと高いびきだ」。お弟子さん達は舟にイエス様がおられたことを忘れていたのです。(でも、大嵐の中で深々と眠れる人はなんと幸いなことでしょう)。「イ、イ、イエス様、起きて下さい。大変です。舟が沈みそうです」。皆大声でイエス様を起こしました。「何をそんなに騒いでいるのだ。私がいるではないか」。イエス様の声はあくまで静かでした。「でも、この揺れ方はひどすぎます」。その時イエス様は海に向かって、すっくと立ちました。
★ 「風よ、静まれ。波よ、おとなしくしなさい」。その声はどんな声だったと思いますか。威厳あり力あり、また優しさのこもったお声でした。すると、不思議なことが起こりました。「あっ」という間に風は止み、波はおさまり、海の上は静かになり、おまけにお日様も照り始めたではありませんか。「イ、イエス様。ありがとうございます。あなたがこんなに凄い力を持っておられるとは気が付きませんでした。許してください」。「私はいつもいつもお前達と一緒にいるからね」。優しい笑顔でイエス様はお弟子さん達に言いました。
★ 2つ目のお話です。イエス様は、お弟子さんを連れて湖のほとりまでやってきました。湖といっても、とても大きく、海のようなのです!イエスさまは「みんな舟で、向こう岸に行って待っていなさい」、と言われ、御自分は近くの山に登っていきました。そこで一人でお祈りをする為です。お弟子さんたちはそこで舟に乗って漕ぎ出したのです。沖に出た頃です。急に強い風が吹いてきて、大きな波が襲ってきたのです。しかも、風はどんどん激しくなってきます。さすがの漁師さんたちも必死です。舟は海の真ん中で行ったり来たり、グルグル廻っているばかり・・・夜中じゅうそうしていたのです。「イエス様ー大変です!来て下さい!でもこんな所に来れるはずはありません。そうでしょう!そのうちに夜も白み始めました。お弟子さんたちは、もうクタクタ・・・もう舟を漕ぐ力もありません。
★ その時です!向こうの方から何か真っ白いものが、波の上を急いでこちらにやって来るではありませんか!「おーい!何か来るぞー!?―あっ、あれは幽霊だー!」弟子たちは、もう生きた心地もしません。「助けてくれー、神様―」、口々に大声で叫んだのです!すると、その白いものの方から人間の声です!「おーい、こわがんな!私だ!-よく見ろ!俺だ、イエスだよ!」・・・・・・・・・びっくりしたみんなは、目を両手でこすりました。目を凝らして見ると、・・・・・・本当です!ニコニコ、イエス様は笑っているではありませんか!「イエス様ー」。あんなに怖がっていた弟子たちも、イエス様の姿を見ただけで、「あァ、よかった、助かった」と安心したのです!それにしても、水の上を歩いてくるなんて凄すぎます!
★ そう思った弟子の一人のペテロさんが、こういいました。「先生!わしも、波の上を歩いて、そこまで行きたいんです!いいですか?ほかの弟子たちは、「何を言うのだ、ペテロ!」と言ったのですが、イエス様は「ようし、お出でなさい。ただし、わたしから目をそらせてはいけないよ!
★ ペテロさんは、勇んで舟を降り、水の上に足をつけるとどうでしょう!なんとその上に立てるではありませんか!みんなのびっくりする中を、「どんなもんだい!」と言わんばかりに歩き始めるのでした。・・・ところがその時、強い風で大波がたちました。ペテロはその波を見て恐ろしくなった途端、水の中にずぶずぶと沈みそうになったのです!「あっ、だめだ!助けてくれー!」
★ しかしそこに大きな手が、スウーッと伸びてきたではありませんか。すぐそれを握り締めるお弟子に優しい声です。 「ただ私だけを見つめて歩きなさい!そうすれば、決して波に沈まないよ。」
★ さて、このお話の中で“嵐とは”何の事でしょう。それは自然の災いだけではなく、私共の人生の色々な試練、悩み、苦しみ、病気や死などのことを指しているのです。イエス様を信じ離れなければ、コロナや様々な災いに恐れることはないのです。
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