山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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お金を全部捧げた貧乏な親子
2021年7月5日
(礼拝カード NO.13 お話 矢澤園長先生)
★ ある町に3人の親子が住んでいました。お父さん・お母さん、そして女の子のフアラさんです。その3人はいつも一生懸命お祈りをし、讃美歌を歌い過ごしていました。悲しく困ったことに、お父さんが新型コロナのような流行り病にかかってしまって寝たきりになってしまったのです。お父さんは「イエス様を忘れず、教会・イエス様を大事にしてくれよ」といって、天国へ旅立ってしまったのです。
★ お母さんとフアラちゃんは、悲しみを抱えながらも、今まで以上に一生懸命働きました。フアラちゃんも朝早くから夕方までパン工場で働くようになりました。その働いて得たお金で生活しなければなりません。でも、パン工場で得られるお金はそんなに多くはありませんでした。
★ その少ないお金をお母さんとフアラちゃんはどうしたでしょう。もちろん生活にも使いましたが、お父さんとイエス様の写真の前に、さほど大きくない献金箱をおいて、毎日「チャリーン、チャリーン」とその日に得たお金全てを入れていたのです。でもそのお金は硬貨だけでしたから、「チャリーン」と硬貨の音が聞こえてくるのです。
★ ある日、フアラちゃんたちは教会へ出かけました。その教会はとても大きな教会で大勢の人が訪れています。ファラちゃんは、今まで家で貯めてきた献金箱を持って来て、教会の献金箱へ全て捧げました。ここでも入れるのは硬貨だけですから、教会に響くのは「チャリーン、チャリン」という音でした。そしてこう祈ったのです。「神様、私の持ってきたのはわずかなもの。でも毎日元気で生きられるのは神様のお蔭です。お金はなくても、神様は必ず私たちを守ってくださいます」。
★ それを見ていたお弟子さんや教会に来ていた人は、思わずつぶやきました。「あれっぽっちで長いお祈りしたってダメ。ムシがいいよ」。それを聞きつけたイエス様は大変怒りました。「何をほざくんだ」、と厳しいお顔です。「ダメなのはお前達の方だ。分からんのか。目があっても見えんのか!あの親子は持っていたお金を全部ささげたんです。神様は大喜びだと思わないか?」それを聞いてお弟子さんはしょんぼり頷きました。
★ その時、大きなラッパの音が響きました。それは教会全体に鳴り響きました。お参りにきた沢山の人が「何だろう」と思って見つめています。すると親分は、「よーし、それを入れろ」と命令すると、子分は持ってきた大きな袋の中から何枚ものお札を取り出し、頭の上から献金箱へと落とすのです。
★ それを見た人達はビックリです。「これは、神様・イエス様もお喜びになるだろう。」と拍手喝采です。しかし、それを見ていたイエス様は「何を拍手しているのだ!あの人は家に帰れば、先程入れた以上のお金があるのだぞ!その中からほんの一部を捧げたのだ。全てを捧げてくれた親子と、ほんの一部を捧げた男と、どちらが神様がお喜びになると思うんだ」
★ 神様が本当に喜んでくれたのは、フアラちゃんたちの行動でした。私達の心を捧げることが大事なんです。耳を澄ましてみなさい。箱の中から綺麗な音楽が聞こえてきそうです・・・ああいう献金を神様は喜ばれるのです。母一人子一人で、懸命に生きてきたのです。献金は少ないけれど捧げた感謝は大きかったのです。
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