山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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真理を求めて旅をせよ
2020年12月14日
(礼拝カード NO.35 お話 啓子先生)
★ 遠い東の国。そこは本当の神様を知らない国でした。いろんな神様を拝んでいました。そこにいたのが「星占い」の博士たちです。みんなの相談にのって助けてあげていたので信頼もされ、私達の「王様」なんて呼ばれることもありました。
★ 博士たちには知恵も力もあるし、名声やお金もある、何一つ不自由のない人たちでしたが、どうも心に深い満足感がないんです。それに時々とても寂しくなります。さてこのさびしさ物足らなさは何だろう、とひそか、に思い悩んでいたのです。友達も家来も沢山いても、何だか元気が出ないんです。
★ 西の空にあやしく輝く大きな星を見つけると、なんだか胸騒ぎがし、心があつく熱してきました。「そういえば・・・」とつぶやきながら、書棚に眠っていた古い書物を取り出して調べているうちに「あっ」と叫んだ。「もしかするとこの世界の本当の王様が生まれるのかもしれない」。仲間の博士たちも集まってきて興奮していいます。「よーし、わしは老人じゃが、あの星の光を見ていると、やたら元気が出てくる。よーし、長い苦しい旅は覚悟して・・・どうです、先生方、御一緒しませんか」。
★ さっそく博士たちは自分の家に帰りました。そして自分の持っていた大切な本や宝物を全部売って、ラクダと旅に必要なもの、そして新しい王様への贈り物を買いました。
★ 博士の家族は猛反対、とうとう気がおかしくなったと嘆きました。でも3人はこの旅がどんなにつらくても、「何としても新しい王様を拝みにいかなくては・・・」と出発、すごく苦しいことの連続にも負けませんでした。それは「今のままででは、自分の人生が満たされないで、幸せをとりにがしてしまう」と思ったからです。
★ 用意を万端整えて、博士たちはラクダに乗って旅を始めました。「でも、新しい王様はユダヤのどこに生まれたのでしょうね?」「王様ですから、きっとユダヤで一番偉い人のところでしょう。ユダヤの王様のこどもに決まっていますよ。そうでなければユダヤで一番賢い人のところでしょう。」「きっと宮殿を訪ねればわかるはずです。大勢の人が心からお祝いしているでしょうから。」
★ 旅は長くかかりました。カンカン照りで水がなくなり、喉が渇いて死にそうになったこともありました。強い風が吹いて前が見えないような砂嵐に巻き込まれたこともありました。強盗に襲われて、命からがら逃げ出したこともありました。でも博士たちはあきらめません。ついにユダヤの王様、ヘロデの宮殿に着きました。博士たちは喜び勇んで「新しい王様に会わせて下さい。」と言ったのですが、王様もヘロデも、一番賢い人も、少しも嬉しそうな顔をしませんでした。それどころか、「そいつが生まれるとしたらベツレヘムという町だ。あんたたち行って探してくれ。もし見つかったら、私達もいくから」と全く嬉しそうでありません。博士たちは、ガッカリしました。全財産を捨てて、命をかけて、ユダヤまでやってきたというのに、肝心のユダヤの人たちが知らん顔なんですから。自分たちが間違ったのではないかと思ったほどでした。さてどうしようかとベツレヘムに向かおうとしたときです。
★ 旅は長く危険でした。昼夜の寒暖の差は激しく、怖い野獣もいる。衣食住みな大変難儀をしました。「もう帰ろうか」と何度思ったかしれません。でもそのお星様をみていると、何だか勇気がわいてきたのです。
★ とうとうベツレヘムの馬小屋に着いた時、博士はびっくり仰天。そうか、こんな所に追い出されて、何一つ持たない・・・でもこういうところであんなに笑っている。この輝きはどういうことか。そうか、これが本当の王様なのか、何にもないようだけれど、お金なんかより、地上のどんな宝よりスゴイ。イエス様赤ちゃんの微笑みに博士たちは生まれて初めて深い満足と幸せを味わったのです。世界の救い主を拝んだ博士たちはもう別人のよう、元気一杯で東の国へ帰っていった、そして会う人達みんなに、イエス様のことを告げ知らせたのです。
★ この旅は私たちの人生をも象徴するものです。
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