山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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うばすて山の話
2020年9月14日
(礼拝カード NO.22 お話 佳純先生)
★ もうすぐ、敬老の日ですね。おじいちゃん・おばあちゃん達は、色んなことを知っています。
★ ある村で、食べるものも少なくなり、生活が大変な状態になってしまいました。どうしてこの問題を解決しようかと村中の人が考えていましたが、殿さまがとんでもない命令を出したのです。その命令は「60歳の誕生日を迎えたものは、親であっても、山へ捨てなければならない!」というものだったのです。
★ 村人は「これは困った話だ」と言いながら殿様の命令に背くことができず、皆、山にお年寄りを置いてくるようになってしまいました。そのことからその山は「うば捨て山」と呼ばれるようになりました。この村に一人の男の子と年老いたおじいさんのすむ家がありました。とうとうおじいさんが60歳になり、泣く泣く息子がおじいさんを背負って年寄りを捨てる山(うばすて山)へ登って行きました。背負われながらおじいさんは、道すがら木の枝を折っていました。それを息子は気づきませんでした。山奥は暗くて食べ物や水も少なく、涙ながらに別れました。山奥におじいさんを降ろした男の子は、フラフラともと来た道を帰り始めました。でも山道は曲がりくねっていて、道も何筋にも分かれています。帰り道が全く分からなくなった男の子。途方に暮れている時、ふと道に目をやると木の枝が点々と落ちています。男の子は気付きました。「帰り道に迷わないように」と、おじいさんが道しるべを作ってくれていたのです。「なんてことを とんでもないことをしてしまったんだ!」とおじいさんの優しさを感じた男の子は、どうしても、おじいさんを置いて帰る事ができず、急いで引き返しておじいさんをおぶって家に走り帰りました。「おじいちゃん ごめんなさい。殿様に見つからないように一緒に暮らそう!」とおじいさんを置いてこようとしたことを深く反省した男の子でした。
★ おじいさんを連れ帰った男の子は、こっそりと家の床下に隠し部屋を作り、そこにおじいさんを隠しました。そして、素知らぬ顔をして毎日を過ごしました。ところがある日、隣国が「この2つの問題を解決できないようだったら、攻め込むぞ」と、難題をふっかけてきました。その2つの難題は「灰で縄を編め」と「叩かないでも鳴る太鼓を作れ」というものでした。困った殿さまは国中におふれを出し、良い知恵がないかと問いました。たくさんの知恵者がこの問題に向かいましたが誰にも解くことができません。
★ この話を聞いた、おじいさんは「固く編んだ縄を塩水につけて、乾いたら焼けばいい」と簡単に答えを出し、「叩かないでも鳴る太鼓」も「太鼓の中にハチを入れればいいんだよ」と難題を解決してしまったのです。男の子は言われたとおりに灰縄と太鼓を作り、お殿様へ持って行きました。これで助かったと喜んだお殿様。
★ 殿さまは、この難問を解けたのは60歳を過ぎたおじいさんの知恵だった事を知り、「なんておろかだった。これからは大事にせねば」と皆に謝り、それからはお年寄りを捨てる事をやめさせたそうです。
★ イエス様は子どもやお年寄りや病気の人、どんな人でも大事にして下さいます。ましてや、お年寄りは色々な知恵を持ち、様々な経験をしています。とても大事な人間なのです。私達はイエス様のように誰にも見返りを求めることなく、優しくしていきたいですね。
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