山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」

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(子どものための復活祭)
ヤゴとトンボの物語
―上にあこがれの世界あり―

2019年5月7日

(礼拝カード NO.4 お話 矢澤園長先生)

★ ここはある森の入り口にあるお池。その水の中にはヤゴのなかまたちが住んでいました。その日のおしゃべりの中心は、前日またいなくなってしまった大好きなおじいちゃんのことです。やさしかったあの人は、また池のすみの草を伝わって、水の上に姿を消してしまったのです。みんな悲しくて多勢が水面ギリギリまで見守っていたのですが、その先を見届けることはできません。それできょうはワイワイガャガヤ・・・「いったいみんなどこへいっちゃうんだろう、心配だね」、「そんなこと考えたってしかたないよ、それより楽しく遊ぼうよ」、「でも今年はもう6人目。気になるね」。
 そうしていた時、ヌッと姿を現わしたのはカエル君です。こうしてカエル君は思いがけないときにやってきたかと思うと、またいつの間にかどこかに行てしまう。影も形も消えてしまいます。ヤゴにとっては不思議であり、ちょっとこわい存在でもあります。

★ でもこの日ばかりは少し勇気が出て、元気なヤゴが聞きました。「カエル君、いったい水の上の世界はどうなってるんだい?」。沢山の仲間はこの時ばかりはおしゃべりはやめ、水をうったような!?静けさです。カエル君は口を開きました。「君たちにはとても分らないと思うけれど、それはそれはすごいんだよ。おいしい空気というものや青い空のもと、山も川も木々も、またいろんな動植物が生きているんだよ」。

★ カエル君の話はとても面白いのですが、ヤゴたちにはチンプンカンプン。でもこの困難な「質疑応答」は2,3時間も続いたのです。「もうどうでもいいや」、「カエル君、うそ八百並べてるんじゃないのか」、などの反応も。それでもカエル君が次のように言ったときは、みんなの心がさすが高鳴ったのです。
 「それで君たちの先輩はね、消えていなくなるんじゃない。大きな羽をつけたかっこいいトンボという成虫になって、広い大空を飛びまわっている。とても幸せそうなんだよ」。

★ さあ、それを聞いたある勇気あるヤゴ君が、重大決意をして頼んだのです。「ぼくもその世界を見てみたい。すまないが、あす朝ぼくを背中に乗せて、上まで連れてってくれないかい?」。「いいですよ」とカエル君。
 興奮して眠れないうちに朝がきました。そこで彼はかえるの背中をしっかりつかんで出発です。ハラハラドキドキの未知の世界への旅です。
 でも水面ギリギリまで来た時、激しい生理的ショックにおそわれ、無残にも水中に落下してしまったのです。ようし、今度はオレが・・・と、次々挑戦者が出てきましたが、みな同じ憂き目にあうのです。やはり上の世界は彼らにとって大きなナゾでしかありませんでした。

★ でもこのヤゴにもやがて時がやって来るのです。その時、彼は押さえようにも押さえられない不思議な力が体内からわき出してきます。そしてこの力に動かされるまま、池のふちにある草の茎を伝わって、上の世界にはい上がっていったのです。別れを惜しむ仲間たち。でも彼らにもやがて、この上にある、思いもかけなかった世界を楽しむ時がやってくるのです。成虫になり、自由自在に飛びまわれる世界。このあこがれの未知の世界は確かに存在しているのです。

★ 私たちは時々トンボたちが池の水面ぎりぎりまで近づく姿を見ます。彼らは懸命になって、かつての仲間たちに今の喜びの世界を伝えようとしているように見えるのです。




 この童話は昭和5年発行のAガッティ夫人による『自然の教え』というお話をもとにして私が創作したものです。夫人は宣教師さんで、自然の中に働く神様の恵みや摂理について分りやすく語っています。
 この本を紹介してくれたのは,故富塚喜吉さんです。この方は、郷里鶴岡にまつわる多くの作品を残した方です。彼が旧制中学時代、世界で一番好きだった祖母を失って、「死とは何か」と深刻に悩んでいた頃、お母様を通してこの本を手にしたのでした。そしてここに盛られているメッセージは、冨塚青年に、「強い説得力」をもって迫ってきただけでなく、晩年に至るまで、自分を「十分に納得させるもの」であった、と記しています。
[『荘内教会創立90年史』 1978年刊]

今日は、以上の内容を子供向けにお話ししました。



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園長

社会福祉法人 地の塩会
荘内教会保育園
理事長・園長 矢澤俊彦

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