山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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ライオンも静かにさせてしまったダニエルの信仰
2018年9月25日
(礼拝カード NO.23 お話 矢澤園長先生)
★ わがままでいばりんぼうの王様がいました。ネブカトデネザルといいます。その王様によく仕えている人にダニエルという家来がいました。家来になってますが、もとは隣国のイスラエルから連れてこられた捕虜でした。でもダニエルは知恵に優れ、夢の解き明かしも抜群、何度も危うい所を助けてもらった王様は、彼をとりたててそばにおき目をかけていました。
★ しかしそういうダニエルをねたんだ家来たちは、王様をそそのかして、こんなおふれを出させたのです。
「さあみんな、あすからこの国の神様であるわしを毎日3回拝みなさい。何といっても、お前たちはわしのおかげで生きていられるんだからなあ。もしこの命令に背く者がいれば、すぐあそこの獅子の谷に放り込むぞ」。獅子の谷とは王宮に程ない所にある深い谷で、そこにはいつも飢えたライオンが何匹も放ってあるんです。悪事をした刑罰として、よく罪人がそこに落とされて、今まで生きて帰ってきた人はいないのです。
★ さて、その布告はただちに国中の人の知る所となりました。そしてその時から、その国の老若男女、上から下々の者までみんな時間がくると、宮殿の方に向き直って「我らの神なる王様、感謝します」と最敬礼を繰り返し始めました。
★ さあ、その翌日のことです。家来の一人があわただしく王様の部屋にやってきます。「王様、大変です・・」「何じゃ、早くから・・?」 「御命令に従わないヤツがいます」。「誰じゃ、そんな不埒なヤツは?」「はい、それが・・・・ダニエルなんです」。その名前を聞いた途端、真っ赤に怒っていたネブカデネザル大王の顔がくもりました。「王様、いかがしましょうか・・?」。王様は困りました。あんなに知恵があるダニエルを殺してしまうのは、余りにもったいないこと、それにダニエルは気に入っていた家来なんですから。
時は夕方でした。ライオンたちはきっと腹ペコに違いありません。ダニエルはどうなったことでしょう。・・・・その夜、王様はまんじりともしませんでした。「ああヒドイことになってしまった。こんなことならあんな命令を出すんじゃなかった。でも何でダニエルはあんなことを・・・と色々思い悩んでいたのです。
★ 夜がほんのちょっと白み始めたころ、王様部屋を飛び出し、まっすぐにどこへ行ったと思います?そう、獅子の谷です。そこへ行くと番人が言いました。「王様、変です。ライオンのやつらあんなに大人しくなっちゃって、さっぱり食いつかないんです。こんなことは初めてですよ」。
★ それを聞いた王様はすぐ下をのぞき込んだ王様は・・・びっくり、何と数匹のライオンがダニエルの話に静かに聴き入っているではありませんか!チョコンと可愛らしくお座りして、何やら気持ちよさそうなのです。王様は叫びました。「おーい、ダニエル、大丈夫か、わしが悪かった・・・さあすぐ上がって来なさい。もうあの命令はないことにするぞ」。ああ、よかった、良かった・・と王様は顔をくしゃくしゃにして番人が不思議がるのも構わなかったのです。
★ でもどうしてダニエルはライオンに食べられなかったんでしょう。これが大事な所です。考えてください。彼は隣のイスラエルの人で、小さいころからイエス様のお父さんである本当の神様を拝んで、力をもらっていたんです。この間のサムソンや少年ダビデのお話を思い起こして下さい。そういう力を頂いているダニエルを見た時、飛びかかろうとしたライオンの足がすくんだんです。「ややっ、この人はどこか違うぞ。何だか変。力が抜けていく」。近づいてきて頭をなでられるとまた不思議に穏やかになりました。お話を聴いていると、おなかがすいていることも忘れて何だかとっても幸せな気分になってきたんです。「こんなことはじめてだ・・」ライオンたちも不思議なあ気持です。そんな風にして長い夜を過ごしていたようなのです。
★ 元気なダニエルを見て王様はいいました、「本当にわしが悪かった。それだけじゃない、お前の神様こそ本当の神様だ、ということがよく分かった。わしもこの国に人も、今度はそなたの神様を一緒に拝ませてくれないか?」・・ダニエルはもちろん「いいですとも、神様は喜んでお力を下さいますよ」。
★ こうしてそれからは、ダニエルの信じるイスラエルの神様をみんなが拝むようになった、ということです。
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