山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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うばすて山の話
2018年9月18日
(礼拝カード NO.22 お話 奈緒先生)
★ 先日の敬老の集いでは、たくさんのおじいちゃん・おばあちゃんが来てくれて、とても嬉しかったね。ただひろくんのおじいちゃんの見せてくれた「縄抜け」は凄かったよね。おじいちゃん・おばあちゃん達は、色んなことを知っています。
★ ある村で、食べるものも少なくなり、生活が大変な状態になってしまいました。どうしてこの問題を解決しようかと村中の人が考えていましたが、殿さまがとんでもない命令を出したのです。その命令は「60歳の誕生日を迎えたものは、親であっても、山へ捨てなければならない!」というものだったのです。
★ この村に一人の息子と年老いた母親のすむ家がありました。とうとう母親が60歳になり、泣く泣く息子が母親を背負って年寄りを捨てる山(うばすて山)へ登って行きました。背負われながら母親は、道すがら木の枝を折っていました。山奥に母親を降ろした息子は、フラフラともと来た道を帰り始めました。でも山道は曲がりくねっていて、道も何筋にも分かれています。帰り道が全く分からなくなった息子。途方に暮れている時、ふと道に目をやると木の枝が点々と落ちています。息子は気付きました。「帰り道に迷わないように」と、母が道しるべを作ってくれていたのです。母の優しさを感じた息子は、どうしても母親を置いて帰る事ができず、急いで引き返して母親をおぶって家に走り帰りました。
★ ある日、女の子がとなりの町へ出かけた後で、お母さんはおかゆが食べたくなりました。そこで女の子のまねをして、 「おなべよ、にえろ」と、言ってみました。すると、おなべはちゃんとおかゆを作ってくれました。ところが、おかあさんは、おかゆの止め方を知りませんでした。 「おなべよ、もういらないよ。おなかはいっぱいだよ」いくらお母さんがそう言っても、おかゆはどんどんにえて、おなべからこぼれ出しました。やがておかゆは台所からあふれて、家中をいっぱいにして、とうとう家の外へ流れ出しました。それでもおかゆは止まりません。となりの家も、そのとなりの家も、そのまたとなりの家も。とうとう町中がおかゆだらけになり、町の人たちもみんな流されていきます。
★ 母親を連れ帰った息子は、こっそりと家の床下に隠し部屋を作り、そこに母親を隠しました。そして、素知らぬ顔をして毎日を過ごしました。ところがある日、隣国が「この2つの問題を解決できないようだったら、攻め込むぞ」と、難題をふっかけてきました。その2つの難題は「灰で縄を編め」と「叩かないでも鳴る太鼓を作れ」というものでした。困った殿さまは国中におふれを出し、良い知恵がないかと問いました。
★ この話を聞いた母親は「固く編んだ縄を塩水につけて、乾いたら焼けばいい」と簡単に答えを出し、「叩かないでも鳴る太鼓」も「太鼓の中にハチを入れればいいんだよ」と難題を解決してしまったのです。息子は言われたとおりに灰縄と太鼓を作り、お殿様へ持って行きました。これで助かったと喜んだお殿様。
★ 殿さまは、この難問を解けたのは60歳を過ぎた母親の知恵だった事を知り、それからはお年寄りを捨てる事をやめさせたそうです。
★ イエス様は子どもやお年寄りや病気の人、どんな人でも大事にして下さいます。ましてや、お年寄りは色々な知恵を持ち、様々な経験をしています。とても大事な人間なのです。
私達はイエス様のように誰にも見返りを求めることなく、優しくしていきたいですね。
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