山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」
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お花が消えた国の話
2018年6月18日
(礼拝カード NO.10 お話 矢澤園長先生)
★ ある国のお城にとてもプライドの高い、いばりんぼうのお姫様がいました。いつも綺麗な服を着て、入念にお化粧をして・・・自分はもう最高に綺麗だと、うぬぼれ自慢していたのです。だから少しでも綺麗な人にあうと、夜も眠れないくらい嫉妬心で苦しむのです。王様や家来もこれには大弱り、でもどうすることもできません。
★ そんなある日、お姫様は一人で散歩しているうちに、まだ来たことのない宮殿の奥の庭にやってきて・・・・そこで呆然として立ちすくんだのです。・・・そう、そこでそれまで眼にしたこともない美しい色とりどりの・・・そう「お花」というものを見たのです。
★ えっ、お姫様お花見たことないの?そうなんです。どうして?それはね、さっき言ったでしょ、自分が世界一美人だと高慢になってるお姫様がお花を見たら・・きっと頭がおかしくなっちゃうんじゃないか・・・王様も家来もそれを心配してお城の中には一輪の花もおかないようにしていた。ただこの奥の庭だけでそっと育てていたんです。
★ 案の定、お姫様はびっくり仰天です!「なんです、これは!この色、かぐわしい匂い、あらゆる形の魅力・・あまりの綺麗さに圧倒された姫は、その場で気を失ってしまったのです!お城は大騒ぎとなりました。やがて気がついた姫が聞きました。「この花というのはここだけにあるのか?それともお城の外にもあるのか?」・・・困った質問ですが、もう正直に答えるほかはありません。
★ 国中にこんな美しいものが咲き乱れていることを知ったお姫様は怒り狂いました。「なんでわたしに隠しておいたのか、卑怯者!」と家来を叱りつけ、さっそく国中から全てのお花を一掃するように命令を出したのです。仕方がありません。大勢の家来が出かけていっておふれを出しました。みんなびっくりしたり怒ったり文句を言ったり・・・でもしばらくのうちに、この国からすべてのお花が消えてしまったのです。
★ さてそれからこの国はどうなったと思います?お庭や道路や畑だけじゃない、お家や学校、病院やお店や散歩道や・・・もうそこへ行ってもお花の姿がないのです。段々みんな機嫌が悪く怒りっぽくなり、すぐ喧嘩をするようになりました。みんな疲れて病人が増えてきます。歌や踊りもなくなり、結婚式も静か・・・火の消えたような国となって・・・笑いのかわりに争い、思いやりのかわりにドロボーが横行する・・・くらい暗黒の支配するところとなってしまったのです。
★ その様子がやがてお姫様にも伝わりました。幾晩か眠らず考えこんだ姫。そしてやっと気づいたのです。「そうか、お花という不思議なものは、みんなを明るくするために天の神様がこの世に下さったもの。その美しさは素晴らしい。自分が綺麗だ、なんて自慢していた私はどんなに醜いひどい人間だったことか!」 こう気づいたお姫様は、みんなに謝ると、すぐ国中をお花いっぱいにするよう命じたのです。
★ 実習生の、のゆり先生が登壇して、スミレの花の話、好きな色や食べ物についてお話してくれ、子ども達は大喜びでした。
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