山形県鶴岡市にある「社会福祉法人 地の塩会 荘内教会保育園」

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2020年7月29日

コロナ犠牲者の思いに近づこう
-その悲しみを無にしない道は-

矢澤俊彦


 新型コロナウイルスには、参った。もうなんとか退散してくれとの願いを込めながら、これまでの間にあえなく命を落としてしまった人々のために、この度ささやかな追悼の祈りと音楽の集いを催すことにいたしました。来たる8月2日(日)10時から荘内教会で。オルガン奏楽は、我孫子真理さんです。犠牲者を思い、この不条理な災いの意味と解決の方法も探りたいと思います。

悲しみと無念の人々 とにかく日本国内の犠牲者は、既に1千人を越え、感染者は現時点3万1千人。世界全体では、約65万人が亡くなり、1千6百万人という大変な数の人々が、罹患していると伝えられています。このことを私たちは、どう受け止めたらよいのでしょう。この16万という死者の数字は、例えば日露戦争における両国の死者数に匹敵するものであり、またあの長期のベトナム戦争時の米国兵の死者が約5万5千人であることを思うと、本当にやるせなさに迫られます。しかも今回の場合は、まったく思いもかけない仕方で、思いもかけない病に冒され、隔離される中で、心身を弱らせていった。しかも通常の場合と違い、見舞ったり、付き添ったりする家族、親戚や友人たちも制限される中で、多くが非情な孤独の中に人生を終えてしまったような気がします。他の天災や事故死の場合には、多くの人々の関心や同情を集めたり、手厚く葬られる場合が多いのですが、この度はそうもいかず、とても寂しい事態となっているのではないでしょうか。
 そこで私たちは、遅きに失した感がありますが、これからできるだけ時間をとり、この世に心残りと無念さを残して、去り行かざるを得なかった人々の思いに近づき、これらの魂の平安を祈りたいと思います。

彼らは私たちの代理者? 自分たちが、かからなくてよかった、いやコロナにつかまったら大変だと逃げ回って日々を過ごす我々。それでは本当に彼らに申し訳がたちません。その理由は少なくとも三つあります。第一にそれは、大抵の場合、感染した人が悪いのではない、彼らが責められるべき罪を犯したのではないと考えられるからです。それはとても偶発的なものに近いのではないでしょうか。第二にその意味で、あの人々は、私たちに代わってこの病を(代理者として)担ってくれているのでは、と言う気がしてきます。これはほかの感染症についてもいえることですが、よくよく思いを潜めてみなければならない気がします。第三には最近指摘されるように、この災害は、近代世界の人類が自然との付き合い方を間違い、大森林を伐採するなど破壊的行為を積み重ねてきたことによって、生物たちの居場所を奪ってきたのではないか。これが正しいとすれば、この災いは、自然災害というより、人災であると考えるほうが適切ではないかと思うのです。

大きな生活の転換を 以上のことを考えるだけでも私たちは、犠牲となった人たちの思いにできるかぎり近づき、身勝手な日々を送ってきたこれまでを反省し、彼らの沈黙のうちにある深い願いをしっかりと受けてとめた新しい生き方を始めなければならないと思います。それを私自身は、次のように受け止めています。
 その第一は、私たち人間が相互の警戒と不信感また恐怖感を強めるのではなく、十分な注意をしつつ、お互いの信頼感や愛情を強めていくべきことです。昨今の日本社会の有様は、この点で実に由々しき様相となっています。これでは、死者たちも浮かばれません。
第二に、個人的にも、国家的にも「自分が生きればよい」とする自己中心性や貪欲(どんよく)を転換すること、世界の自然を自己利益のために用いず、生物との共生を図ること。
 この点について歴史家A.トインビー博士の広い視野からの次の言葉をご紹介しましょう。我々には、相反する二つの欲望があると前置きして、「一つは、自己を没却して、他の人々、世界、そして、宇宙の背後にあるものに自分自身を与えるようにする欲望です。もう一つは、宇宙を搾取(さくしゅ)し、自分自身の中にひき入れ、自分の目的のために使おうという欲望です」。そしてもちろん前者の道を徹底することで個人も民族も幸せと充実に近づく道であるというのです。政府の唱える「新しい生活様式」もここまで深める必要があると私も思うのです。 第三は、これに従って、国家民族を超越して世界平和という価値をなによりも重大事に据えることです。今回の新型コロナは、それこそ人類を分断してきた国家・民族・人種・言語・皮膚の色や風俗・習慣などのすべてを越えて、襲ってきたものです。そこで気がつくべきは、今後私たち人類がどんなに互いに深く一致協力して生きていかねばならないかという点です。我々日本もとりあえず朝鮮半島や中国などを決して仮想敵国と見るのでなく、信頼感を持って積極的に近づかねばなりません。

過去から学ばない頑固な我々 これについてトインビーも我々は、とかく頑固で過去からも歴史からも親からも学ぶことをしないために、せっかくの尊い経験が無駄に打ち捨てられており、結局同じような失敗を繰り返しがちであることを指摘しています(未来を生きる 講談社刊)。

 以上くどくどと記し、失礼しましたが、今は黙して語らぬコロナの犠牲者の叫びに少しでも近づきたく思い、一筆いたしました。なお当日は被爆の日も近いことから世界平和の為にも祈りたいと思います(鶴岡市本町三丁目 日本基督教団 荘内教会牧師・同保育園長)。





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理事長・園長 矢澤俊彦

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